オーストリアGP概要
2017年F1 Grand Prix – Round 9 オーストリアGP。
オーストリアの首都・ウィーンから南西へ約200kmほど離れた、人口約5,000人ほどの小さな街・シュピールベルクに位置するレッドブル・リンクは、かつては「エステルライヒ・リンク(Oesterreichring)」と呼ばれ、1周6km近いロングディスタントの起伏の激しい高速コースであった。しかし、警備面等に不安要素があり、ヘルマン・ティルケの手によって大幅に改修され、1997年よりF1GPを再開した。名称も「A1リンク(A1-Ring)」と改称、起伏の大きさとアクセルの全開率は高いままとなった。しかし、騒音等により環境保護団体からの抗議が寄せられたことから2003年限りでF1の開催を終了。その後、地元企業であるRed Bullがサーキットを買収し(紆余曲折はあったものの)、名称も「レッドブル・リンク(Red Bull Ring)」と改め、2014年より再びF1が開催されている。1周4.318kmと比較的短く、ラップタイムは1分5秒前後となる。決勝ではこれを71周し、306.452kmで争われる。
Q1セッション
Q1セッションは現地時間の14:00(日本時間の21:00)より開始され、18分間でタイムを競い、下位5台が脱落し、16位~20位を決定するノックアウト方式である。
予選開始直前のシュピールベルクの天候は晴れ、気温29℃、路面温度45℃となっている。
各マシンがそれぞれのタイミングでタイミアタックを行っている。残り10分ほどとなったところでようやく全車のタイムが出そろい、その時点でノックアウトゾーンにいるのはStoffel Vandoorne(McLaren)、Lance Stroll(Williams)、Jolyon Palmer(Renault)、Marcus Ericsson(Sauber)、Pascal Wehrlein(Sauber)となっている。
Vandoorneがタイムを上げて13番手に浮上し、ノックアウトゾーンから脱出。Fernando Alonso(McLaren)は9番手に位置している。
残り時間4分を切って、ノックアウトゾーンからの脱出争いが激しくなってきた。16番手のCarlos Sainz(Toro Rosso)が3番手のタイムをマークし、Vandoorneは15番手に、その上にFelipe Massa(Williams)が位置している。Kimi Raikkonen(Ferrari)が2番手のタイムをマークし、Vandoorneが再びノックアウトゾーンに。ここでVandoorneが最後のタイムアタック、1つ順位を上げて15番手に浮上。Alonsoは13番手。Stroll、Massaはノックアウトゾーンから抜け出すことは出来ず、そのままQ1セッションは終了。
ノックアウトした5台は以下の通りである。
POS. | Driver | Team | Time |
---|---|---|---|
16 | Jolyon Palmer | Renault | 1:06.345 |
17 | Felipe Massa | Williams | 1:06.534 |
18 | Lance Stroll | Williams | 1:06.608 |
19 | Marcus Ericsson | Sauber | 1:06.857 |
20 | Pascal Wehrlein | Sauber | 1:07.011 |
Q2セッション
Q2セッションは15分間で争われ、下位5台が脱落し11位~15位となるノックアウト方式である。
まず、Mercedesの2台がコースイン。やや雲が多くなってきたため、念のため早めにタイムを出しておこうという作戦のよう。雲が増えてきたおかげで路面温度が38℃まで下がっている。
Kevin MagnussenはQ1セッションでサスペンションにトラブルが発生した模様で、まだコースイン出来ず、必死の修復作業を行っているが、ひょっとするとコースインが出来ないかも知れないという状況。
残り時間5分ほどとなって、現在ノックアウトゾーンにいるのはNico Hulkenberg(Renault)、Esteban Ocon(Force Indeia)、Vandoorne、Daniil Kvyat(Toro Rosso)、そしてKevin Magnussen(Haas)となっている。
残り時間3分を切り、Q3進出を賭けた争いが激しくなってきた。
ここでEsteban Oconが10番手に浮上、Alonsoは11番手のノックアウトゾーンに。VandoornもAlonsoも、最後のタイムアタックでのタイムアップはならず、ノックアウトゾーンからの脱出は叶わず。
Q2で脱落したのは下記の5台である。
POS. | Driver | Team | Time |
---|---|---|---|
11 | Nico Hulkenberg | Renault | 1:05.597 |
12 | Fernando Alonso | McLaren | 1:05.602 |
13 | Stoffel Vandoorne | McLaren | 1:05.741 |
14 | Daniil Kvyat | Toro Rosso | 1:05.884 |
15 | Kevin Magnussen | Haas | –.– |
Q3セッション
少し時間をおいてQ3セッションが始まる。Q3セッションは12分間で争われ、上位10台のグリッドを決める戦いである。
それぞれ、タイヤをウォームアップさせながら、徐々にタイムアタックへと進んでいき、上位10台の順位がめまぐるしく入れ替わる。
残り5分のところでは、Valtteri Bottas(Mercedes)、Sebastian Vettel (Ferrari)、Lewis Hamilton(Mercedes)、Kimi Raikkonen(Ferrari)、Daniel Ricciald(Red Bull)、Max Verstappen(Red Bull)、Romain Grosjean(Haas)、Sergio Perez(Force India)、Esteban Ocon(Force Indeia)、Carlos Sainz(Toro Rosso)の順となっている。
残り時間1分ほどとなって、全車コースイン、最後のタイムアタックを行っている。しかし、Grosjeanがセクター2のコース上でストップ、イエローフラッグが振られており、この区間でのタイム更新はならず、Verstappenはターン8でグラベルに突っ込んでいる。
結局そのままQ3セッションは終了し、Valtteri Bottasが第3戦・バーレーンGPに次ぐ自身通算2度目のポールポジションを獲得した。
最終的なQ3セッションの結果は以下の通り。
POS. | Driver | Team | Time |
---|---|---|---|
1 | Valtteri Bottas | Mercedes | 1:04.251 |
2 | Sebastian Vettel | Ferrari | 1:04.293 |
3 | Lewis Hamilton | Mercedes | 1:04.424 |
4 | Kimi Raikkonen | Ferrari | 1:04.779 |
5 | Daniel Ricciald | Red Bull | 1:04.896 |
6 | Max Verstappen | Red Bull | 1:04.983 |
7 | Romain Grosjean | Haas | 1:05.480 |
8 | Sergio Perez | Force India | 1:05.605 |
9 | Esteban Ocon | Force India | 1:05.674 |
10 | Carlos Sainz | Toro Rosso | 1:05.726 |