カナダGP概要
2017年F1 Grand Prix – Round 7 カナダGP。
コースはモントリオール郊外の公園内に位置するジル・ヴィルヌーヴサーキット。公園内のため、細かい砂埃により滑りやすく、レコードラインを外れるとスピンの可能性が非常に高く、その為、オーバーテイクには非常に神経を遣うコースである。
1周4.361kmのコースを、決勝では70周、305.27kmで争われる。
かつて、Ferrariの英雄、地元・ケベック州出身のGilles Villeneuveが1982年にベルギーGP(ゾルダーサーキット)で事故死したため、彼の業績を称えてその名が付けられている。スタートラインには「Salut Gilles(やあ、ジル)」と書かれている(by Wikipedia)。
Q1セッション
Q1セッションは現地時間の13:00より行われ、18分間で争われる。ラップタイムの下位5名が脱落するノックアウト方式である。
セッション開始前の天候は晴れ、気温22℃、路面温度44℃。
セッションが開始され、最初にラップタイムを刻んだのはCarlos Sainz(Toro Rosso)で1:14.785。まずはこのタイムが基準となり、このタイムが次々に塗り替えられていくことになる。
その後、Kimi Raikkonen(Ferrari)が1秒以上タイムを縮め、1:13.548のラップを叩き出す。Q1セッション突破は確実なタイムだ。その後、Sebastian Vettel(Ferrari)がさらにタイムを縮め、1:13.046をマーク。
残り時間10分を切り、Mercedes勢がタイムアタックを本格化。まず、Valtteri Bottas(Mercedes)が1:12.864と、1分13秒を切ってきた。その後、Lewis Hamiltonが1:12.685のトップタイムを刻むが、その直後に再びBottasが1:12.678のタイムでトップタイムを更新する。
残り時間5分を切って、下位ドライバー達はタイムを更新するのに必死になる。この時点で、McLarenのFernando Alonsoは1:13.776で10番手に付けており、Q1突破はほぼ確実と思われるが、Stoffel Vandoorne(McLaren)はノックアウトゾーンにおり、必死のタイムアタックを続ける。この時点で16位以下はKevin Magnussen(Haas)、Stoffel Vandoorn、Jolyon Palmer(Renault)、Pascal Wehrlein(Sauber)、Marcus Ericsson(Sauber)となっている。
しかし、Palmerはその後、14番手のタイムを叩き出し、代わりにLance Stroll(Williams)が17番手のノックアウトゾーンに入ってきた。
そして、そのままセッション終了。ノックアウトされたのは以下の5名となる。
POS. | Driver | Team | Time |
---|---|---|---|
16 | Stoffel Vandoorne | McLaren | 1:14.182 |
17 | Lance Stroll | Williams | 1:14.209 |
18 | Kevin Magnussen | Haas | 1:14.318 |
19 | Marcus Ericsson | Sauber | 1:14.495 |
20 | Pascal Wehrlein | Sauber | 1:14.810 |
Q2セッション
Q2セッションは15分間で争われ、下位5名、11位から15位を決めるセッションである。
開始早々、10台のマシンが一斉にコースイン。そして、Alonso以外の4台もコースインし、Alonsoは特にマシンに問題は無いようなので、タイミングをずらす作戦のようだ。なお、Q2セッションは全員がウルトラソフトタイヤを選択している。
まずトップタイムをマークしたのはHamiltonで1:12.496。このタイムを塗り替える、あるいは近づくのが当面の目標となるだろう。
Alonsoは最初のアタックではノックアウトゾーンを出ることができず、無線でQ1セッションの時よりパワー不足だと交信している。そして、一旦マシンをガレージに戻した。
残り3分となり、4番手のタイムを出しているVettel以外の14台がコース上にいる。この時点でノックアウトゾーンにいるのはDaniil Kvyat(Toro Rosso)、Carlos Sainz、Fernando Alonso、Jolyon Palmer、Romain Grosjean(Haas)の5名。なお、10番手に付けているNico Hulkenberg(Renault)から13番手のFernando Alonsoまではコンマ2秒ほどの差しか無く、まだまだ予断を許さない状況だ。
Alonsoは最後までアタックを続け、自身のタイムを更新したが12番手止まり。そしてそこでタイムアップとなった。ここでノックアウトされた5名は以下の通り。
POS. | Driver | Team | Time |
---|---|---|---|
11 | Daniil Kvyat | Toro Rosso | 1:13.690 |
12 | Fernando Alonso | McLaren | 1:13.693 |
13 | Carlos Sainz | Toro Rosso | 1:13.756 |
14 | Romain Grosjean | Haas | 1:13.839 |
15 | Jolyon Palmer | Renault | 1:14.293 |
Q3セッション
Q3セッションは12分間で争われ、決勝スターティンググリッドの上位10名を決めるセッションである。
スタートと共に次々にマシンがコースインし、10台のマシンがコース上に入った。全員の最初のアタックが終わった時点では、1:11.791のタイムをマークしたHamiltonがトップ、続いてBottas、Raikkonen、Vettel、Max Verstappen(Red Bull)、Daniel Ricciald(Red Bull)、Felipe Massa(Williams)、Sergio Perez(Force India)、Esteban Ocon(Force Indeia)、Hulkenbergの順となっている。
残り時間3分を切り、Hamiltonがコースイン。その前に2回目のアタックを行ったVettelはHamiltonのタイムを更新出来ず、ピットに戻っている。Hamiltonがアタックを開始すると、セクター1、セクター2ともに全体のベストで駆け抜け、1:11.459のタイムを叩き出し、、ほぼポールポジションを手中に収めたと思われる。
3回目のアタックを開始したVettelはセクター1で大きく出遅れ、結局Hamiltonのタイムを上回ることはできずここでセッション終了。ポールポジションはHamiltonに決定し、以下10番手までは以下の表の通りである。
なお、HamiltonはAyrton Senna(Brazil)に並ぶ通算65回目のポールポジション獲得となった。また、このヴィルヌーヴサーキットでのポール獲得も6回目となり、これはMichael Schumacher(Germany)の記録と並んだ。
POS. | Driver | Team | Time |
---|---|---|---|
1 | Lewis Hamilton | Mercedes | 1:11.459 |
2 | Sebastian Vettel | Ferrari | 1:11.789 |
3 | Valtteri Bottas | Mercedes | 1:12.177 |
4 | Kimi Raikkonen | Ferrari | 1:12.252 |
5 | Max Verstappen | Red Bull | 1:12.403 |
6 | Daniel Ricciald | Red Bull | 1:12.557 |
7 | Felipe Massa | Williams | 1:12.858 |
8 | Sergio Perez | Force India | 1:13.018 |
9 | Esteban Ocon | Force India | 1:13.135 |
10 | Nico Hulkenberg | Renault | 1:13.271 |