レース概要
スペイン バルセロナ カタルーニャ・サーキット:4.655km(1周)
レース周回:66周(307.104km)
スタート時間:14時(現地時間:日本時間21時)
開始前の天候:晴れ、気温24℃、路面温度43℃
レース内容
まず、レース前にパワーユニットコンポーネントのうち、ES(エナジー・ストア)とCE(コントロール・エレクトロニクス)を投入(今季5個目)したため、Stoffel Vandoorne(McLaren)は合計10グリッド降格ペナルティーを受け、最後尾からのスタートとなっている。
フォーメーションラップは何事も無く始まり、各車が自分のグリッドに次々と付いていく。前戦と違って落ち着いたスタートを迎えられそうである。
レッドランプが消え、各車一斉にスタート。1コーナーでまず、Kimi Raikkonen(Ferrari)とMax Verstappen(Red Bull)が接触しコースオフ!Raikkonenのマシンの左フロントサスペンションが完全に壊れている様子。また、次戦・モナコGPを欠場し、インディ500に挑戦することが決まっているFernando Alonsoも他者と接触しコースオフ、順位を下げている。また、Felipe Massa(Williams)のマシンがクラッシュしたようだ。
Raikkonenはマシンを止め、そのままリタイア。Verstappenは何とかピットに戻ったが、そのままコースに戻ることは無かった。Alonsoは恐らくMassaと接触した模様。Alonsoは11番手にポジションを下げて走行中。Massaはピットに戻りマシンの修復作業に入った。
1周目を終えた時点では、良いスタートを切ったSebastian Vettel(Ferrari)がトップ。以下、Lewis Hamilton(Mercedes)、Valtteri Bottas(Mercedes)、Daniel Ricciald(Red Bull)、Sergio Perez(Force India)、Esteban Ocon(Force India)、Nico Hulkenberg(Renault)、Kevin Magnussen(Haas)、Carlos Sainz(Toro Rosso)となっている。
トップが5周目に入った頃、Massaが最下位でコースに復帰している。
10周目、この時点で10位走行のRomain Grosjean(Haas)に、0.7秒差でAlonsoが迫ってきた。数週はこの状態が続いたが、なかなか抜くまでには至らない。そこで、敢えて予定より早く13周目にピットイン。タイヤを交換してコースに復帰。その後、チームメイトのVandoorneもピットに入っている。
トップを走行していたVettelが15周目にピットイン。3ストップ作戦をとったものと思われる。3番手でコースに復帰したものの、バックマーカーの処理に手間取っており、その間に暫定トップを走行するHamiltonがファステストラップを刻みながら差を広げていく。
19周目、Perezがピットイン。この時点でまだピットインを行っていないのは、Mercedes勢とRicciald、Grosjean、Pascal Wehrlein(Sauber)の5人だけである。このうち、Grosjeanは20周目にピットインした。
22周目、Hamiltonがピットイン。ミディアムタイヤに交換して、Vettelの後方3番手でコースに復帰した。同じタイミングで、Riccialdもピットインし、こちらもミディアムタイヤへと交換している。
Vetttelが、暫定トップを走行中でまだピットインしていないBottasに迫る。しかし、Bottasは決してVettelに抜かせず、Vettelを完全に抑えつけている。その間に、HamiltonがVettelに近づいてきている。
25周目、ようやくVettelがBottasをホームストレートエンドでパス。しかし、後方のHamiltonは3.6秒差まで接近している。26周目、BottasはHamiltonを前に行かせ、翌周にピットイン。Mercedesのチーム戦略がうまく行っているように見える。
30周目、Alonsoが他のマシンより1周2秒ほどラップが遅いのが気がかりで、順位を徐々に下げている。31週目にそのAlonsoがピットイン。ミディアムタイヤに交換しコースへ復帰。
35周目、VandoorneがMassaと接触。コースオフしストップしてしまう。と同時に、VSC(ヴァーチャルセーフティカー)が導入される。
※VSC:各チームにオフィシャルでVSCであることが伝えられ、電光掲示板にもVSCと表示される。この場合、各マシンは決められた範囲の速度で走行しなければならず、セーフティカーが導入されたような感じになるが、各車の間隔はほぼ一定に保たれるのが特徴。セーフティカーを入れるほどでは無いが、コース上に何らかの危険がある場合に導入される。
36周目、Hamiltonがピットイン。新品のソフトタイヤに交換してコースに復帰。そして37周目にVSCが解除され、トップのVettelがピットインする。ミディアムタイヤに交換し、これで最後まで走りきる作戦であると思われる。
39周目、HamiltonがVettelとテール・トゥ・ノーズの状態になる。ミディアムタイヤのVettelはやや苦しいか。
40周目、マシンから白煙を上げ、何とBottasのマシンがストップ。エンジントラブルにより、そのままリタイアとなってしまった。Ferrari、Mercedesともに1台ずつ残っての争いとなってしまった。
43周目、HamiltonがついにVettelをパスする。そしてそのまま差を広げ、Vettelに対し一気に1.7秒の差を付ける。
45周目を過ぎた頃、逆にVettelがペースを上げ、Hamiltonのペースが上がらなくなってきた。ソフトタイヤは摩耗が早いため、もう一度ピットインする必要性がありそうだ。このままだとVettelが有利になっていく。レースは終盤に向かっていくが、最後までトップ争いは分からない。
50周目、1回しかピットインしていないWehrleinは自己ベストを刻みながら7番手を走行中。Sauberにとって初ポイント獲得のチャンスが出てきた。まだポイントを獲得していないMcLarenにとっては厳しい状況で、Alonsoはまだ15番手を走行中だ。
54周目、4位のPerez以下がすべて周回遅れとなる。Alonsoに至っては2周遅れとなってしまった。バックマーカーの処理の結果、HamiltonがVettelとの差をやや広げている。
61周目、AlonsoがMassaをパスし、14番手に上がる。さらに、Lance Stroll(Williams)も抜いて13番手まで順位を上げるが、12番手走行のMarcus Ericsson(Sauber)とは13秒もの差があり、これ以上順位を上げるのは難しそうだ。
63週目に入り、Hamiltonが何とかこのまま最後まで走り切れそうだ。Vettelは差を少し縮めてはいるが、オーバーテイクする圏内までは届いていない。65週目、Hamiltonがなんとファステストラップをマーク。Vettelとの差を土壇場で広げている。また、この周回でMagnussenのマシンのタイヤがパンクしピットに戻る。この為、Alonsoは12番手に順位を上げた。
最終ラップに入ってもHamiltonとVettelのさは縮まらず、そのままHamiltonがポール・トゥ・ウィンを飾り、今季2勝目を挙げた。2位にVettel、3位にはトップから1分10秒ほど遅れてRiccialdが入った。また、SauberのWehrleinが7位に入り、Sauberは今季初ポイント。これにより、今季まだノーポイントのチームはMcLarenだけとなっている。最終的な順位は以下の通り。
レース結果
POS. | Car No. | Driver | Team | Time | Point | Remarks |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | Lewis Hamilton | Mercedes | 1:35:56.497 | 25 | |
2 | 5 | Sebastian Vettel | Ferrari | +3.490 | 18 | |
3 | 3 | Daniel Ricciald | Red Bull | +1:15.820 | 15 | |
4 | 11 | Sergio Perez | Force India | +1Lap | 12 | |
5 | 31 | Esteban Ocon | Force India | +1Lap | 10 | |
6 | 27 | Nico Hulkenberg | Renault | +1Lap | 8 | |
7 | 94 | Pascal Wehrlein | Sauber | +1Lap | 6 | |
8 | 55 | Carlos Sainz | Toro Rosso | +1Lap | 4 | |
9 | 26 | Daniil Kvyat | Toro Rosso | +1Lap | 2 | |
10 | 8 | Romain Grosjean | Haas | +1Lap | 1 | |
11 | 9 | Marcus Ericsson | Sauber | +2Laps | 0 | |
12 | 14 | Fernando Alonso | McLaren | +2Laps | 0 | |
13 | 19 | Felipe Massa | Williams | +2Laps | 0 | |
14 | 20 | Kevin Magnussen | Haas | +2Laps | 0 | |
15 | 30 | Jolyon Palmer | Renault | +2Laps | 0 | |
16 | 18 | Lance Stroll | Williams | +2Laps | 0 | |
Ret | 77 | Valtteri Bottas | Mercedes | Lap 5 | 0 | Engine |
Ret | 2 | Stoffel Vandoorne | McLaren | Lap 1 | 0 | Accident |
Ret | 33 | Max Verstappen | Red Bull | Lap 1 | 0 | Accident |
Ret | 7 | Kimi Raikkonen | Ferrari | Lap 1 | 0 | Accident |