レース概要
バーレーン・インターナショナル・サーキット:5.412km(1周)
レース周回:57周
スタート時間:18時(現地時間:日本時間24時)
開始前の天候:晴れ、気温24℃、路面温度30℃、やや風が強い
レース内容
まず、Stoffel Vandoorne(McLaren)のマシンがエンジントラブルによりグリッドに付くことなく、そのままレースに参加することはなかった。チームメイトのFernando Alonso (McLaren)は、ユニットの交換をしたものの15番グリッドからのスタートとなる。
ポールポジションはValtteri Bottas (Mercedes)。F1キャリアにおいて初めて、先頭からのスタート、落ち着いてマシンをスタートさせることができるかどうか。フロント・ロウにはチームメイトで百戦錬磨のLewis Hamilton。Hamiltonを抑えて第1コーナーを制することができるかどうかが最初のポイントとなるだろう。
Vandoorneを除く19台がフォーメーションラップを終え、無事にグリッドに付く。レッドランプが消え、各車一斉にスタート!まず、Bottasは1コーナーでトップを守った。しかし、2番手スタートのHamiltonはFerrariのSebastian Vettelに交わされ3位に転落する。また、6番手スタートのMax Verstappen (Red Bull)が4番手スタートのDaniel Ricciald (Red Bull)を交わす一方、Kimi Raikkonen (Ferrari)が順位を下げている。1周目を終えて、Bottas、Vettel、Hamilton、Verstappen、Ricciald、Felipe Massa (Williams)、Raikkonen、Nico Hulkenberg (Renault)、Romain Grosjean (Haas)、Esteban Ocon (Force India)という順。なお、最後尾スタートのKevin Magnussen (Haas)は16番手まで順位を上げている。
7周目の時点で先頭のBottasと2位・Vettelの差は0.3秒と、BottasはVettelからかなり強いプレッシャーを受けている。さらにVettelの後ろ0.6秒でHamiltonが追いかけ、その後ろ0.8秒でVerstappenが走行と、上位4台がまさに団子となるレース展開。そのすぐ後ろにDaniel Riccialdがいる。8周目に、ようやくRaikkonenがMassaを抜き7位に上がるものの、先頭集団からは5秒ほど離されている。
9周目、まずLance Stroll (Williams)がピットインし、スーパーソフトからソフトにタイヤを変更し、タイヤの使用義務を果たす。その頃、Magnussenがマシンをコース脇に停め、早くもリタイアとなる。11周目、Vettelがタイヤを新品のスーパーソフトに交換。Sergio Perez (Force India)の後ろ12番手でコースに復帰する。このピット戦略で、果たしてBottasの前に出られるかどうか、Vettelにとってはひとつの賭けである。また、Verstappenもピットインし、スーパーソフトに交換。しかし、ピットアウト直後にVerstappenのマシンにブレーキトラブルが発生、マシンがウォールにヒットしそのまま停車。マシンを降りたVerstappenは悔しそうにコースの壁を蹴りつけた。
13周目にはRaikkonenもピットイン。その頃Vettelはファステストラップを叩き出しながら走行。しかし、ここでCarlos Sainz (Toro Rosso)とStrollがクラッシュし、Strollのマシンがコース上で止まったため、セーフティカーが導入された。Ferrariにとっては不運な展開に。その間にMercedes勢とRicciald、Massa、Hulkenbergがピットイン!しかし、ほんの僅か、VettelがMcLaren勢の前に出ることができ、順位が逆転。トップはVettelに交代。続いてBottas、Ricciald、Hamilton、Massa、Raikkonen、Hulkenberg、Marcus Ericsson (Sauber)、Perez、Grosjeanの順となっている。Alonsoは12番手を走行。
17周目、セーフティカーが戻り、レース再開。Hamiltonが早速Riccialdのインに入り3位に浮上する。BottasもVettelをアウトから抜きにかかったが、これはVettelが防いだ。Riccialdはなにかマシンに問題を抱えているのか、その後もMassa、Raikkonenに立て続けに追い抜かれ、6番手まで順位を下げた。中位グループででは、Alonsoが後ろのJolyon Palmer (Renault)から激しい突き上げを喰らっていたが、19周目にEricssonを抜き11番手に順位を上げる。
20周目、先ほどピットインしたHamiltonがRiccialdを妨害した疑いで審議が続いていたが、5秒のペナルティーが科せられることとなった。Vettelにとっては非常にラッキーな状況だ。Vettelは2位・Bottasとの差を広げていく一方、Bottasと3位・Hamiltonの差が少しずつ縮まってきた。24周目、RaikkonenがMassaを交わして4位に浮上、上位4台はFerrariとMercedesの争いとなる。27周目に、MercedesはHamiltonをスピードの上がらないBottasの前に出す。この時点で、VettelとHamiltonの差はおよそ6秒といったところ。中位グループではAlonsoがPalmer、Daniil Kvyat (Toro Rosso)にも抜かれ13位に順位を下げていたが、必死にこの2台に食らいつく。
29周目、RiccialdがMassaをパスし5位浮上。また、30周目にKvyatがPalmerを追い抜き11位に上がる。その隙にAlonsoもPalmerを追い抜き、12番手に浮上する。31周目、Bottasがピットインし、ソフトタイヤに交換。7番手でコースに復帰した。33周目、VettelとHamiltonの差が4秒ほどに縮まってきたところで、Vettelがピットインしタイヤをソフトタイヤに交換。その頃、Bottasがファステストラップを刻みながら上位のマシンを次々に交わし、5位まで浮上する。VettelはRiccialdの前、3番手でコースに復帰。そして、暫定2位のRaikkonenに迫る。ペースの上がらないRaikkonenをVettelが交わし、2番手に上がる。
37周目、Vettelがファステストラップ(1:34.004)を叩き出す。そしてBottasはRiccialdを抜き4番手に上がる。40周目、Bottasに対して、Vettelとの差を縮めろという無線が飛ぶ。Hamiltonには5秒のペナルティーがあることが原因のよう。また、ピットでソフトタイヤに交換したRaikkonenがファステストラップを刻む。42周目、Hamiltonがピットイン。ソフトタイヤへの交換と、5秒ペナルティーを消化して3番手でコースに復帰。トップから順にVettel、Bottas、Hamilton、Raikkonen、Ricciald、Massas、Perez、Grosjean、Hulkenberg、Oconまでがポイント圏内。
45周目、Hamiltonがファステストラップを刻みながらBottasを追いかける。Bottasはあまりペースが上がらず、VettelとBottasは10秒あまりの差、しかしBottasとHamiltonの差は5秒まで短縮されてきた。そして48周目、ついにHamiltonがBottasを捉え、2位に浮上。50週目に入り、周回遅れの集団につかまっていたVettelとHamiltonの差が10秒を切ってきた。
52周目、Ericssonがギアボックストラブルのため、コース脇にマシンを停めリタイア。54周目、Vettelの前にKvyat、Alonso、Wehrleinが連なる。Hamiltonとの差は7秒ほど。残りは4周。果たして最後にバトルは見られるのか!VettelはAlonso、Wehrleinを交わしたが、HamiltonはこれからKvyat、Alonso、Wehrleinを交わす必要があり、なかなか差が縮まらない。56周目、Alonsoが無線でピットに戻ると伝える。エンジントラブルの模様。もう少しでポイント圏内だっただけに悔やまれるところ。
ファイナルラップ、VettelとHamiltonの差は6~7秒ほど。Vettelに何かトラブルが起きない限り、このまま順位の逆転はなさそうである。そして、そのままVettelがチェッカーフラッグを受け、今季2勝目、通算44勝目を飾った。2位にHamilton、3位にBottasとMercedes勢が入り、4位以下はRaikkonen、Ricciald、Massa、Perez、Grosjean、Hulkenberg、Oconまでがポイント獲得となった。なお、56周目でエンジントラブルでピットに戻ったAlonsoは14位完走扱いとなった。
最終結果
Pos. | Car No. | Driver | Team | Time | Points | Remarks |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | Sebastian Vettel | Ferrari | 1:33:53.374 | 25 | |
2 | 44 | Lewis Hamilton | Mercedes | +6.660 | 18 | |
3 | 77 | Valtteri Bottas | Mercedes | +20.397 | 15 | |
4 | 7 | Kimi Raikkonen | Ferrari | +22.475 | 12 | |
5 | 3 | Daniel Ricciald | Red Bull | +39.346 | 10 | |
6 | 19 | Felipe Massa | Williams | +54.326 | 8 | |
7 | 11 | Sergio Perez | Force India | +1:02.606 | 6 | |
8 | 8 | Romain Grosjean | Haas | +1:14.865 | 4 | |
9 | 27 | Nico Hulkenberg | Renault | +1:20.188 | 2 | |
10 | 31 | Esteban Ocon | Force India | +1:35.711 | 1 | |
11 | 94 | Pascal Wehrlein | Sauber | +1Lap | 0 | |
12 | 26 | Daniil Kvyat | Toro Rosso | +1Lap | 0 | |
13 | 30 | Jolyon Palmer | Renault | +1Lap | 0 | |
14 | 14 | Fernando Alonso | McLaren | +3Lap | 0 | |
Ret | 9 | Marcus Ericsson | Sauber | Lap 50 | — | Gear Box |
Ret | 18 | Lance Stroll | Williams | Lap 12 | — | Accident |
Ret | 55 | Carlos Sainz | Toro Rosso | Lap 12 | — | Accident |
Ret | 33 | Max Verstappen | Red Bull | Lap 11 | — | Brake |
Ret | 20 | Kevin Magnussen | Haas | Lap 8 | — | Electronics |
Ret | 2 | Stoffel Vandoorne | McLaren | Lap 0 | — | Do not start |